先の中露声明発表で思うこと

 中国とロシアの首脳会談に関する共同声明を読み、日本の安全保障についての議論をさらに深めていく必要性を強く感じた。国家が自国の領土や国民を守るためには、外交力と軍事力の両方が欠かせない。しかし、十分な軍事力の裏付けがなければ、外交は説得力を持たず、抑止力としても機能しにくいのが現実である。核保有国に囲まれている日本にとって、政治家にはこれまで以上に安全保障への強い覚悟と責任感が求められている。

 軍事力は、民主主義や政党政治を成り立たせる土台でもある。しかし日本では、防衛力の強化を議論するたびに、憲法9条や「専守防衛」の考え方が大きな争点となってきた。また、「戦後平和主義」という考え方が長く社会に根付いてきたことで、現実的な安全保障論議が十分に進まなかった面もある。

 戦後の日本では、学界や教育界、メディアなどで左派的な思想が強い影響力を持ってきた。その結果、安全保障や憲法改正について積極的に議論すること自体を避けるような空気が生まれたことは否定できない。特にオールドメディアの多くは、日本のナショナリズムや「軍国主義化」には強い警戒感を示す一方、中国やロシアなどの専制主義国家による軍事拡張には十分な批判を行っていないように見える。このような姿勢は、戦後日本に根付いた過度な護憲意識や、自国に対する自信の弱さとも無関係ではないだろう。

 現在、国会の憲法審査会では憲法改正について議論が行われている。しかし、参議院では「合区」問題などが中心的な論点となっているとされる。もちろん制度上の課題も重要ではあるが、厳しさを増す国際情勢を考えれば、まず優先すべきは自衛隊の位置づけや、日本の防衛体制をどう整えるかという議論ではないだろうか。国民が不安を抱く中で、安全保障の本質的な議論が後回しにされているとすれば、政治と国民の意識のずれは深刻だと言わざるを得ない。

 いま日本国民には、「自分たちの国は自分たちで守る」という意識が求められている。防衛力の強化だけでなく、「専守防衛」のあり方を含めた憲法改正の議論や、日本独自の情報・諜報機能の強化など、危機管理体制を見直すことが急務である。そうした取り組みを進めることで、日本が自国の平和と安全を守る強い意思を、国際社会に明確に示すことができるはずだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました